【2023年夏期間総括】印象に残る特殊清掃現場ベスト5

2023/11/05

2023年の5月~10月までのいわゆる特殊清掃の書入れ時と言われる期間が終わりました。この夏期間も様々なエピソードが生まれました、どの特殊清掃現場もそれなりに大変なのですが印象に残った現場を5つご紹介したいと思います。

この記事の内容は単に特殊清掃のビフォーアフターではなく、孤独死などが起きお困りの方の参考になるように正しい処理方法で進めていけば必ずにおいや汚れは消えますし、賃貸物件として復活しますということをお伝えしたいと考えてのことです。

ひとつだけ他の特殊清掃業者が施工してトラブルになった現場も入れておきますが、改めて特殊清掃は最初に何をするかが重要なものだと感じます。

東京近辺で問題解決の早い特殊清掃業者まごのて

☆本記事の執筆は株式会社まごのて代表取締役佐々木久史です

夏期間の特殊清掃で感じたこと
 

特殊清掃は改めて感性が大事だと感じる

まごのては東京近辺の特殊清掃業者の中でも業歴が長く実績もある部類ですが、特殊清掃を手掛けるようになって10年以上たっても未だに新たな発見や新たな気づきがあります。消臭も一定レベルはクリアしていますが、時短方法であったりご遺体痕の洗浄方法は毎年手法を見直し少しずつ技術のバージョンアップを行っています。

まごのてでもこの夏期間の特殊清掃を初めて体験するメンバーも数名いましたが、既定概念がないゆえに長年携わってきた特殊清掃員とは違った視点で現場を見ることができ、新たな技術開発や消臭薬剤の開発につながったアイデアも出ました。

けっしてルーティンで現場に挑まず、常にご遺族や関係者の役に立つという思考が新たな気づきを生むのではないかと思います。ご遺体痕をただの汚染箇所という目で見ていては絶対に技術向上しませんし新たなアイデアも絶対に生まれません。特殊清掃は小手先の「小技」でなんとかなるものではなく「心」を持って行わないと絶対に成し得ない崇高な清掃業務と感じられずにはいられません。
 

孤独死の特殊清掃から原状回復までの本当の費用

孤独死などが起きた場合部屋を元通りにするにはいったいどれだけの期間と費用がかかるかはとても気になるところです。実際にかかる費用をまとめた記事がありますので是非お読みください。まごのてが行った特殊清掃や原状回復を元に事実の基づいた料金表示をしていますので参考になさってください。

特殊清掃実際の費用
 

令和5年夏期間で印象に残った特殊清掃現場5つ

では具体的にどんな特殊清掃現場があり、どのように進めたのかをご紹介したいと思います。またそれぞれの現場に携わった作業者レポートも織り交ぜながら書いていきます。

できるだけ不穏当な表現は避けるようにしますが、リアルな状況もお知らせしたいという考えもあります。そのあたりは少しオブラートに包むような表現になるかもしれません。

令和5年夏期間で印象に残った特殊清掃現場5つ
 

高層階から人が落ちてきたバルコニーの特殊清掃

自殺の特殊清掃の中でも飛び降り自殺は凄惨な現場になりがちです、6月に茨城県取手市のマンションで飛び降り自殺があり1階の居住者から大慌てで電話がありました。しかも今まさに警察が現場検証中で窓からその様子が丸見えという中で電話をいただきました。

その電話をもらったのが14時ごろでなんとか都合をつけて翌日朝イチで伺うと約束したのですが16時すぎにそのマンションの管理会社から再度電話があり、今すぐにでもなんとかしてもらいたいと半泣きで電話をいただいたのです。その時間からでは他のスタッフを動かすわけにもいきませんので、私自ら出向くことにしたのです。

すでに暗くなったころに目的のマンションに到着しました。いわゆる大規模分譲マンションで大きな敷地に何棟か建物があるタイプで、運よくバルコニー側に大きな遊歩道があり車両をギリギリまで付けることができました。現場はかなり広いバルコニーでちょうど真上の18階から落下してきということでした。

大きな窓には血痕が飛び散り、バルコニーは一面血の海だったらしく、一応警察が水を流してくれたようでしたがまだかなりの血だまりが残っていました。とりあえず窓面と大きな血だまりだけは今からなんとかするとお約束し作業を開始しました。

血痕が薄い部分を高圧洗浄を使って流し、血だまりの濃い部分は固めて吸引し、とりあえず見た目の印象は変わりました。ただ細かく飛び散ってる場所などは暗くて特定できず翌日すべての清掃をすることにしたのです。清掃作業中に両隣の部屋と2階~5階に住む方も訪ねて来て結局15室のベランダをチェックすることになったのです。
 

広範囲に飛び散った血痕と残された〇〇

翌日改めて現場となったマンションを見ると、対象となった部屋の5階あたりまでの壁面に血痕を認め、左右の部屋にもかなりの飛び散りが確認できました。落下した部屋の人は真近でその光景を見てしまったようで克明に私たちに様子を話してくれました。

ご遺体はほぼ原形を留めていなかたということで、小さな骨片や肉片も細かくチェックして見つけ出しました。その作業の最中に確実に人体の一部だろというものも見つけ、改めて凄惨な現場であったと思ったものです。自殺は周囲にも多大な迷惑を掛けますし、残されたご遺族にも大きな負担がのしかっかってきます。

この特殊清掃現場は5か月以上経過した今でも、現場写真や作業記録を管理会社経由で求められます。どうやらご遺族(同じマンション)を相手取って訴訟に移行する前準備とのことでした。幸いにして巻き込まれた人はいませんでしたが、落下してきた部屋の奥さんはほんの2分前にバルコニーに居たということですので間一髪で助かったのかも知れません。
 

においの原因がなかなか見つからなかった他社施工現場

東京都墨田区のマンションオーナーからの相談で3月に孤独死があり、管理委託をしている不動産会社が特殊清掃を手配しやってもらったがいつまで経ってもにおいが消えなくて困ってるというもので、よくある他社の特殊清掃やり直しかと思い部屋を拝見すると、すぐにわかる汚れも臭いもなくいつでもリフォームできる状態のように思えました。

作業者の体感でもセンサーでも臭いを察知しないのです。物件オーナーにどんな時にどれぐらいの頻度でにおいを感じたかなど詳しくヒアリングをしていきました。その結果オーナーは2~3日おきに窓を開けて換気をするようにしていてその入室時ににおいを感じるということでした。

私たちがチェックに行った日も朝少し窓を開けたということでしたので、完全に締め切り数日後に再度調査することにしたのです。数日たって再度現場を訪問しました、オーナーさんの話だとにおいを察知できるのは一瞬とのことでしたのでドアを小さく開け体をスッと中に入れたのです。

臭気センサーが振るレベルではありませんが確かに察知するにおいがあります、しかも残存する生活臭や排水管からの臭いではないことは明らかでした。ご遺体痕があった場所、腐敗体液が流れたであろう部分はキチンと処理されていますのでけっして腕の悪い特殊清掃業者が施工したものではなさそうです。やはりどこかに臭い発生源があるということになりますので考えつく限りのチェックを行っていきました。
 

ある場所から大量のハエの死骸とウジ殻

技術情報の開示になってしまいますので具体的な場所の公表はしませんが、ある場所からハエの死骸と大量のウジ殻を発見し、それが臭い発生源であると断定したのです。その場所は日々私たちも見ていますし表面的な洗浄は行う場所でもあるのですが、中がそうなっていて場合によってはこうなるというのは正直意外な場所でした。

果たしてこの場所を重要と考える特殊清掃業者がどれぐらいあるでしょうか、もしかしたらまごのてで過去に施工した現場でも同じケースがあり臭い戻りを起こしていたのではないかと怖くなりました。実はこの臭い発生源であるハエの死骸が集中していた部分を特定するまでに通算3回出向いています。換気ダクトを清掃したり、配管高圧洗浄をしたりしましたがまったく的外れであったことに作業者全員が驚きました。

この現場を経験したおかげでそれ以降必ずチェックする部分として展開されたのは当然で、この部屋の特殊清掃以降同じようにハエやウジ虫の抜け殻を半数程度の現場で見つけ出しました。ハエの気持ちはわかりませんが腐臭を察知し部屋に入り込み産卵する能力は本当にすごいと感心したものです。
 

階下の飲食店へご遺体痕が流れたことで発覚

アパートやマンションで孤独死が起きた場合にご遺体から流れた腐敗体液が下に漏れるというケースは良くありますし、そんなにレアケースでもありませんが、調布市で発覚した孤独死は階下が飲食店でした。ある日店主が仕込みのために店で作業をしていると客席フロアの中央に数滴液体が垂れてるのを発見しました。

天井を見るとソーラトン貼りの天井に赤黒い染みがあり、油でも垂れたのかと拭いてみたら強烈な異臭が鼻を突き、絶対に上で異変が起きていると管理会社に通報し、孤独死が発覚したのでした。二階の孤独死があった部屋よりも先に下の飲食店の特殊清掃をなんとかしてほしいと要請を受け現地に飛んだのです。

2階の孤独死が起きた部屋はご遺体の損傷が激しいためDNA鑑定に回されたので入室許可は先になるとのことでしたので難しい処理になると一同心して挑みました。ただ絶対に上からの漏れを止めないと完全な施工ができないので警察に最低限の作業はさせてほしいと交渉し絶対に室内の物に触れない持ち出さないという条件付きで許可をもらい特殊清掃を行いました。

二階はいつもと同じ特殊清掃一次処理と同じ作業を行い、一階は汚れたソーラトンを交換し漏れ出た腐敗体液を洗浄しさらに漏れないようにコーティングを行い浮遊している臭いを除去したのです。作業自体は2日間でやり終えましたが入室許可がでるまでの三週間近くずっと気が抜けない現場でした。
 

死後1年超の浴室特殊清掃ではトラブル発生

千葉県のマンション管理会社から特殊清掃依頼をもらったのは猛暑の7月半ばでした。浴室で死後1年以上経過したというもので着手前から緊張させるには充分な事前情報でした。目的のマンションは千葉県内某市の古めの分譲マンションで亡くなったのは2年前に引越してきた60代後半の男性ということでした。

この現場は特殊清掃内容もかなり大変なものだったのですが、何より同じマンションの住人とのトラブルが起きてしまったことが一番大変でした。特殊清掃作業初日から作業者が廊下に出るたびに同じマンションの人が入れ替わり立ち代わり質問責めをするのです。

けっして興味本位で何かを聞くというものではなく、何度も何度もこの部屋はおかしいと言っていたにもかかわらず何も行動を起こさなかった管理会社に対する怒りが爆発したようです。まごのての特殊清掃作業員は誰かに何かを聞かれたとしても詳細なことを絶対に話しません、それが気に入らなかった住民が作業者に暴言を浴びせるということがあったのです。

その報告を受け特殊清掃を発注した管理会社に猛抗議し、このままでは作業継続はできない旨と、作業遅延した賠償を求めたのでした。管理会社と対応する中で入居者が怒る気持ちがわかった気がします、とにかくこの管理会社は高飛車なのです、管理会社の中には清掃やリフォームの業者に対し下に見る風潮がある会社があるのも事実でこのマンションの管理会社はその典型のようなものでした。

とにかく作業の邪魔になるようなことは絶対に起こらないようにしてほしいと申入れ、その確約が出るまで作業を止めるという事態に発展してしまったのです。最初は適当にあしらっていた管理会社も本当に作業に入っていないことを知り慌てて対応し、私たちにも上席からお詫びがあったので清掃作業を継続したのでした。

稀に我々業者を見下しぞんざいな対応をする管理会社はありますが、私たちは人ができないことを持てる知識と技術を駆使してお役に立つのが使命です、その場面で発注者が上で請負う会社が下などというものはないと考えるのです。
 

三名のご遺体があった孤独死の特殊清掃

東京都葛飾区の分譲マンション管理組合から一回目の特殊清掃相談があったのが2022年10月、2回目が今年の2月、そしてやっと5月に入って特殊清掃施工ということになりました。事前情報は三体のご遺体があり事件性の有無の捜査と相続人調査に時間がかかったということでした。

どうして三体もご遺体があったのかということですが、このマンションには三名が住んでいたそうで高齢のご両親と60歳近い息子さんというもので、お母さんは長年病気で家で療養し、お父さんも介助が必要という状態だったそうです。

事の真相はまず息子さんが何らかの原因で突然死し、介助が必要な両親を世話する人が居なくなったため相次いで死亡したというものです。2LDKの間取りでキッチンの冷蔵庫の前に息子さんのご遺体痕、奥の和室のある介護ベッドでお母さんのご遺体痕、もうひとつの和室の床にお父さんのご遺体痕というものでした。

特殊清掃作業自体はいつも通り粛々と進んだのですが、どうしてこんなことが起きるのか理解に苦しむ現場でした。どうして介護認定を受けなかったのか?どうして近所が異変を察知しなかったのか?考えれば考えるほどわからなくなっりました。本当に日本は先進国なのか?声を出さない人は行政のセーフティーネットに引っ掛ることすらなく亡くならなければいけないのか。人との関わり方や自分自身は何ができるのか大いに考えさせられる特殊清掃現場でした。
 

最高の技術と知識で特殊清掃を行います

株式会社まごのては様々な特殊清掃現場を経験しています。あらゆる経験が特殊清掃技術のアップに寄与してるのは上記の体験を見ていただければわかると思います。

技術が確かであるのは特殊清掃業者として絶対的なもので当然のことですが、まごのての特殊清掃作業員は人としての心根もピカイチに優れていると思います。あらゆる現場から自分自身の知見を積み上げ感性を磨き上げる能力は他の追随を許さないと自負しています。

まごのては現場で得たことをくまなく吸収し今後の肥やしとし、さらに特殊清掃技術をアップし今以上に完全な原状回復や消臭清掃をお届けします。

専門家常駐の特殊清掃業者まごのて
 

冬期間の特殊清掃も完璧にやります!お任せください

上記の特殊清掃体験は夏期間のものを抽出しましたが、特殊清掃は夏に集中するというだけで冬期間も当然起こります。夏期間はゴミ屋敷でも特殊清掃でも暑さがあるゆえ過酷になりますが、冬は冬で独特の特殊清掃の難しさがあります。夏に比べて臭いや虫の発生が少ないので軽視されがちですが、むしろ冬場の特殊清掃のほうが難易度が高いこともあります。

株式会社まごのては夏期間でも冬期間でも持てる知識と技術を最大限駆使し完璧な清掃と消臭を行うます!

特殊清掃や消臭のことならまごのて

 


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