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孤独死が起きても告知義務免除!?間違った認識がまん延した理由

2023/07/20

孤独死が起きても特殊清掃を入れなければ心理的瑕疵の告知義務はないといった噂が大家さん界隈であるようで、まごのての特殊清掃相談でも業者が入ったことをわからないようにしたいとか、特殊清掃そのものを省こうとしたりする動きが目立ています。結論から先に言えば特殊清掃業者が入ろうが入らなかろうが告知義務が消えることはありません

どうしてこのようなデマに近い情報が流れているのかを検証するとともに、心理的瑕疵があることを告知しない方法があるのかをお知らせしたいと思います。

☆本記事の執筆は株式会社まごのて代表取締役佐々木久史(宅地建物取引士)

☆本記事の監修は栃木柳沢樋口法律事務所、弁護士栃木義宏

まごのては特殊清掃業者として最も信頼できる理由

宅建士の佐々木久史が解説。心理的瑕疵告知の条件
 

不動産取引における4つの『瑕疵』とは

『瑕疵』(かし)という言葉は今や死語で不動産取引における告知の場面でしか使われなくなった言葉で簡単に言えば「傷」「訳あり」のことです、今は契約不適合責任という言葉に変わりましたが民法改正前には「隠れたる瑕疵」という使い方をしていた言葉です。不動産取引においては4つの瑕疵について告知(伝える)しなさいよというルールがあります。

このホームページは特殊清掃業者が発信してるものですから4つのうちの1つである『心理的瑕疵』についてお知らせしますが瑕疵には心理的なもの以外に以下3つの瑕疵があります。

・物理的瑕疵(シロアリや土壌汚染など)
・法的瑕疵(建築基準法違反や相貌法違反など)
・環境的瑕疵(近所に暴力団事務所やお墓やゴミ処理施設など)

これらに該当する場合は部屋を借りる人や家を買う人にきちんと告げましょうというものです、今回は心理的瑕疵の間違った解釈が起きてることについて、いつものように実例を交えてお知らせしていきます。

不動産取引4つの瑕疵とは
 

特殊清掃業者が入るかどうかが告知の分かれ目!?

最近の特殊清掃相談の中で気になるキーワードが出てくることがあります「特殊清掃業者を入れなければ告知しなくても良い」特に大家さん筋でこの認識が多いようですが稀に管理会社担当者もよく似たことを言ってることがあります。

国交省のガイドラインでは死後2~3日の病死では特に告知の必要はなく、特殊清掃が必要な状況でご遺体が発見された場合は瑕疵に該当する、という物がありこのあたりの解釈が歪曲された可能性があります。

心理的瑕疵の国交省のガイドライン
 

告知とは意思決定を左右する可能性があるものに行う

上記のような一文がガイドラインにあるのですが、まずこれは法律ではなくガイドライン(目安)であるということにご注意ください。ガイドラインでは死後2~3日であれば告知不要としていますが、孤独死で死後1日にもかかわらず酷いレベルの時もありますし、死後10日であっても何事もなかったレベルのこともありますので、実際の運用時には死後日数はあまり考慮しないほうが良いと考えます。

特殊清掃が入れば要告知、という噂はこのガイドラインを歪曲して考えたものと推測できます、たとえ死後数か月だとしても特殊清掃業者を入れなければ事故物件として扱わないということはなく、特殊清掃業者が入るかどうかが判断材料ではないということをまずは認識してください。

そもそも何のために告知があるのかを考えればよくわかります。とは意思決定のための判断材料としての情報提供です。意思決定とは部屋を借りたり家を買ったりするときのもので、特に売買では大きなお金も動きますし、今後一生住む可能性があるのだからきちんと情報を出しなさいというものと考えていいでしょう。

賃貸住宅で死亡事故があった、でも病死で発見も早く部屋の傷みも臭いもありませんという場合だとあえて告知はしなくていいですよ、という目安であって。死後日数は少ないけど真夏でご遺体の状況も悪く部屋も相当汚れたというような場合は、その
情報が契約関係に影響を与えるものであれば告知するのが正しい運用と考えます。

瑕疵の告知は購買の判断を決定付ける大事なもの

 

防護服を着用しての作業を拒んだ大家さん

東京都府中市の賃貸アパートのオーナーさんから住人が部屋で死亡し特殊清掃をしなければいけないが、作業するにあたって防護服を着ないで作業をしてほしい、制服も車両も社名入りは避けてほしいとの相談でした。社名を隠してほしいというのは特殊清掃でもゴミ屋敷でもあって、まごのてと書いてあれば特殊清掃業者とわかるからという理由です。

このオーナーさんいわく防護服で出入りされたら特殊清掃をしてると周囲にわかるし、告知しなければいけなくなると言いました。この考えがまさしく心理的瑕疵のガイドラインを歪曲した考え方です、特殊清掃業者が入ったかどうかが目安になるわけではないし、防護服は作業者を守るためにも必要ということを理解いただて作業をしました。このオーナーさんはまだ特殊清掃をしなければいけないと認識していただけマシで次の章では告知を避けるために特殊清掃そのものを省こうとした例をお知らせします。
 

特殊清掃を省いてリフォームすれば告知不要

千葉県浦安市のマンションオーナーも孤独死が起きたが特殊清掃をしなければ告知しなくても良いと考えていました。まごのてへのご相談の入口は「残置物を撤去してほしい」というもので、普段お付き合いのある不動産管理会社からのご紹介でしたので深いところまで聞かず現地に行ったのですが、玄関ドアの前に立つだけで重異臭が漂いハエも飛び回っているものでした

すぐに人が亡くなった部屋とは聞いてない!特殊清掃をしない状態での残置撤去はしないと言い部屋を見ると、ちょうど玄関先1m付近の廊下に腐敗体液が流れ警察が置いたと思われる毛布が被せてありました。当然マンションオーナーはこの状況を認識しており、私たちが特殊清掃をしない限り先の工程に進んだらダメだという進言をしてるにも関わらず特殊清掃はしない、この状況で残置物を撤去しないと言うなら別の業者に頼むから帰れ!と頑なに特殊清掃の実施を拒みました

不動産管理会社の方に中に入ってもらい話を進めた結果特殊清掃をし臭いと汚れを取ることになったのですが、特殊清掃を行うことを拒んだ理由はやはり「特殊清掃業者が入ると事故物件になるから」というものでした。当初このオーナーは家財を全部出しリフォームすれば大丈夫と考えてたらしく、それよりもマンションが事故物件になるのが嫌だったということで聞きかじった知識で特殊清掃を飛ばしてしまえ!となったようです。

特殊清掃業者が入らなければ告知不要なわけない!
 

心理的瑕疵の告知の期間はどれくらい?

この告知の期間についてもガイドラインでは定められてます、重要なことですのでもう一度書きますが、告知の目的は契約者(賃貸や売買)の意思決定の判断材料であることを再度認識してください。一応ガイドラインでは賃貸の場合3年経過すれば告知しなくても良いとされています、これは人が感じる嫌悪感は時間の経過とともに薄まるという考えに基づいています。ただしこれもあくまでも目安であって都市部の人の入れ替わりが激しい賃貸物件ならこの考えが当てはまりますが、例えば田舎町ならどうでしょうか?実例として山村地帯の納屋で農薬自殺があり、本人はその後運ばれた病院で死亡50年近く後にその納屋を含めた家屋が売買されたが購入者は購入後にその事実を知り売買契約の取消を求めた裁判では取消を認める判決が下されました、このように一概に何年と決めることはできないという例だと思います。

ただ賃貸と売買とでは重みが違い、売買であれば未来永劫告知が必要になるケースも多く、殺人事件があった家屋を取り壊し新たに新築住宅を建てて売る際に過去の出来事を告知しなければいけないと判断された例もあれば、都心のビルで集団自殺があったにも関わらず数年で告知なしで売出されすぐに購入者が現れた例もあることから、告知の期間は地域性やその土地の風習にも左右されるということです。

心理的瑕疵の告知は一概に期間を決めることはできない
 

二次賃借人以降の告知期間

賃貸住宅では以前から死亡事案があった物件は次の入居者には告知するが、その次の入居者には告知しないという慣例的なものがあります。実は今回改定の国交省ガイドラインにはこの二次賃借人以降の取扱いは明記されていません。例えば死亡事故があった部屋を次の賃借人に告知して入居、その入居者は1年で退去したとしたらどうなるのかです。

ガイドラインでは3年となってるから残り2年は告知しなければいけないという意見と今までの慣例だと告知しなくていいという意見に分かれていますが、おそらく3年ルールの適用が正しいと考えます。

ですがこの告知は不動産会社によって以前から運用がまちまちで、契約の判断材料になる情報だから3年を超えても告知するとしている会社もありますし、3年未満でも三次賃借人には告知しないと方針決めをした不動産会社もあります。いずれにしてもガイドラインは目安であって法的拘束力はないことから拡大解釈や歪曲した解釈があるのは致し方ない気もします。


心理的瑕疵のガイドラインはあくまでも目安

以上のことからもわかるように国交省のガイドラインは心理的瑕疵の告知内容や期間はあくまでも目安にすぎないということです、地域性や事件(孤独死、殺人、自殺)の重要度や人々の関心などあらゆる要素を加味して判断されるもので、けっして特殊清掃業者が入れば告知事項というものではありません。

まごのてにも不動産事業部があり日々扱ってるのはいわゆる事故物件ですが、内容や期間かかわらずオール告知と方針付けしています、やはりその物件を扱う際に過去の経緯や出来事を知っていれば告知するというのが最低限のモラルと考えているからです。

結局物件の購入や賃借はお客様の判断次第なわけですからありのまま伝えて判断してもらうというのが正しい取引のあり方だと思うのです。
 

所有物件で孤独死などが発生した時は

物件オーナーさんや管理会社担当者に是非認識していただきたいことがあります。今や賃貸経営をしていれば人の死は避けられません、裁判所の見解でも孤独死などは発生するものと織込んでおきなさいというのが主流です。ですからもし孤独死などが起きても隠したり、裏技のようなことをするのではなく正しく特殊清掃をし原状回復を行うほうが結果的に評価も上がり信頼を得ることが出来ると考えます。

孤独死発生から原状回復完了までの正しい手順

孤独死があっても隠蔽しないでオープンにすること
 

特殊清掃の報告書を添付し賃貸募集した大家さん

東京都品川区のマンションオーナーは孤独死があった部屋の特殊清掃と原状回復工事をまごのてに依頼したのですが、その際にすべての工程を細かく写真付きで報告書をほしいと要望を受けました、普段出してる報告書よりさらに細かな物を求められ別に費用がかかっても良いということでした。

理由を聞いてみると次の賃借人募集の際にすべてをオープンにして安心してもらうためだと仰いました。実際この物件の作業時には撮影担当を1人付け最初の現況報告から特殊清掃各工程、リフォームの全工程の写真を付け報告書を作成しました、そのページ数は30ページにも及び誰が見てもどんな処理が施されたのかが分かるようになりました。

結果的に客付け不動産会社も入居希望者もここまでしてるなら問題ないと判断をいただき、家賃も下がることなく入居者が決まったということです。このように孤独死や事故を隠すのではなくすべてをオープンにすることで安心と信頼を得れると言う典型例でした。
 

心理的瑕疵をも払拭する特殊清掃

孤独死をはじめ部屋で人の死があれば大家さんとしてもできれば隠したいという心理が働くのは致し方ないと思います、ですが山の中の一軒家ならいざ知らず町にある賃貸住宅で人の目がまったくないということはあり得ません、部屋で不審死があれば警察官もパトカーもたくさん来ますし、一時でも立入禁止ロープが張られたりけっこう物々しい雰囲気になります、そんな中で誰も知らないはずはなく隠そうといても隠しきれるものではありません。

以前孤独死があったことを隠して入居者を入れ、後になって他の部屋の人から孤独死の出来事を知り大問題になったケースを知っていますが、やはり人の感情によるところが大きいですからガイドラインは参考程度にしケースバイケースで判断するのが望ましいでしょう。

私たちの考えとしては孤独死があってもきちんと特殊清掃と原状回復すれば何も問題ないと考えています、上記の大家さんのようにすべてをオープンにし見えない部分もどのような処理をしたかを明らかにすることで逆に信頼を得ることができるということもありますので、事故が起きたらまずは完璧な処理を目指すのが正しいと方法と考えます。

心理的瑕疵を凌駕する特殊清掃方法
 

汚れと臭いを完璧に消す特殊清掃業者

株式会社まごのては孤独死の原状回復の完成形とはどんなものであるかを正しく理解している数少ない特殊清掃業者です、先ほどから申上げてる通り孤独死があったとしても完全に汚れと臭いが消えていれば事故そのものが無かったことになります。数年前までは孤独死があったのだから臭いが少しあるのは当たり前、ハエが寄ってくるのも仕方ない、だから家賃を下げてるんだということがまかり通っていましたが、今はそんな理屈は通用しません

まごのての特殊清掃は孤独死などがあったとしてもその事実が払拭できるようなものを目指して完璧な処理をしますのでお気軽にご相談ください。

特殊清掃ならまごのてに相談



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