大至急!縊死や自刃。自殺現場の特殊清掃|血液まみれの作業員
2023/05/27
たとえ未遂であっても避けたいと言う作業員は多く、私のところでは入社後間もない者はあえて行かせてません。
今回の記事は実際の現場のリアルと自殺はやめようという啓発の記事です、いつものように実体験を交えてお伝えします。
☆本記事は株式会社まごのて佐々木久史が実際の現場体験に基づき執筆しました。

リビングが血の海!早く来て
自死の特殊清掃の特徴は孤独死と違い比較的発見まで早い場合が多くいわゆる腐敗臭がひどいとかハエやウジが発生してるということはあまりありません、もちろん発見までに時間がかかるようであれば孤独死現場となんら変わりありません。
このあたりは故人の人間関係に依るところが大きく関係すると思いますが、近い人に不穏な空気を悟られ部屋に行ってみたら、というケースが多いように感じます、事前に仄めかすような言動があったりとなんとなく『気付いてくれ』という心情が感じられます。
発見が早い場合はいわゆる「におい」の関係はライトですが決行方法によっては見た目の惨状が孤独死の比ではありません、とにかく広範囲かつ派手に汚れてる場合が多く、その結果「大至急」という依頼が多いのです。
刃物を使った場合は顕著で天井や壁はもちろん床にも大きな血だまりになってたり、最後の力を振り絞ってか苦しんだ末かはわかりませんが手や足の跡が無数にあったりで思わず息をのむ光景が広がっています。
ですので作業自体も生々しい状態の中行うことになります、どんなに広範囲でも少しずつ除菌効果のある薬剤を使い薄く固まってる部分は削り、血だまりのゼリー状の部分は凝固させながら取り除いたりと地味に時間がかかる地道な作業です。
範囲にもよりますが一回の作業で防護服を2~3度取替なければいけないほど作業者の体にも血液が付着し、その夜シャワーを浴びると体中から血の匂いが立ち込めるのは何度やっても慣れません。
したがっていわゆる孤独死の場合の特殊清掃一次処理より料金はかかる場合が多く、血痕等の除去でも7万円~15万円ぐらいになることが多いです。
☆特殊清掃|さまざまなケースをご紹介
縊死現場は部屋が汚れると言う噂
以前このホームページで自殺関連の記事をたくさん入れていた時期があります、特に「縊死」や「縊死 汚れる」というキーワードでの流入がひじょうに多かったのですが、あきらかに特殊清掃業者を探しているというより縊死に関する興味本位もしくは自殺志願者の検索だった気がしたので削除したのです。
いわゆる首吊り(縊死)も刃物を使う自刃自殺も部屋はそれなりに汚れます、私たち特殊清掃員がご遺体を見たり回収することはありませんが、部屋の様子を見ればだいたい察しがつきます。
きれいな自殺なんてありません、首吊りでも日数次第では部屋を相当汚します、人に迷惑を掛けないということもありません、生きていれば苦しいこと辛いことありますがどうか乗り越えてほしいと切に願います。
縊死は発見が遅れたら悲惨
自殺の場合は孤独死と違って発見は早い傾向にありますが、孤独死同様死後の発見が遅れてしまうこともあります。
中でも縊死で発見が遅れ腐乱化するとちょっと大変なことになる可能性があります、不穏当な表現をさけながら文章でお伝えするは少し難しいのですが、孤独死の場合は倒れたまま腐乱化するのですから基本的にその場所からご遺体が動くことはありません。
ですが縊死の場合は状況が違います、垂直に垂れ下がっていたものが腐乱化し柔らかくなるとどうなるか、簡単に想像が付くと思いますが、私たちの経験した範囲でお伝えしますとまず首が取れます。
そして胴体はそのまま落下します、落下の衝撃でご遺体が飛び散るような感じになりますので必然的に汚れが拡散されその後の特殊清掃が難航するということになるのです。
特殊清掃員の目から見て自殺でキレイなものはないと感じます、硫化水素や練炭でも苦しまないというデマがあったようですが現場を見る限り絶対そのようなことはありません。
自殺の特殊清掃で見たくない物
自殺の特殊清掃現場では決行時に使った道具が残されてることが多く、それを処理するのは一番胸が痛いのです。
首吊り自殺の場合はかなりの確率でロープや踏み台がそのままですし、血まみれの刃物も意外とそのままだったりします。
以前お風呂場での事故(転んで頭を打った)と聞いて血だらけの浴室を清掃したことがあるのですが、浴槽の底から剃刀が出たことがあり事故ではなく自殺だったことがありました。
道具が残っているとなんとなくシーンが浮かんでしまうのです、実際に見たわけでもないのに多分このような動きだったんだろうと考えてしまうと心がざわついて仕方ありません、もちろん故人の心の動きまではわかりませんがどうして一歩踏みとどまれなかったんだろうという思いはいつもあります。
他に残されてるものとしては遺書などの類ですが、目につく場所にあるような物は警察が回収してることが多いのですが、思いがけず私たちが見つけてしまう場合もあります、それはノートに走り書きだったりデスクにポエムのように書き綴っていたこともあり、見つけた私たち自身も感情移入してしまい「気づいてあげれなくてごめんね」という気持ちになってしまうのは不思議です。
☆自殺があった部屋で見つけたノートや遺書
ハードだと思う自殺現場は2つ
自殺現場の清掃でキツイなと思うのは浴室での練炭自殺と飛び降り自殺です、練炭の場合は物理的な清掃作業の難易度が高いのです、当然清掃場所も狭いですし浴槽が溶けていり全体が煤けて黒くなっていたり、なんとなく場の空気も薄いような錯覚にとらわれます。
飛び降り現場は経験数こそ少ないですが、とにかく周囲の目が気になって仕方ありません。
いわゆる野次馬ですが、好機の目で遠くから見ていたりスマホでムービーを取っていたりととにかく落ち着きません。
人の死があった場所に室内も屋外も関係はなく、どんな理由があったせよ仏様相手に清掃作業をしているのですから好奇心はあったとしてもムービーに撮りそれをSNSに上げるなど不用意な行動は慎んでほしいと思います。
凄惨な自殺の特殊清掃は実績豊富な業者へ相談
自殺に限らず特殊清掃はとにかく早い行動が今後の原状回復までの成否を分けます、初期の段階で時間をかけてしまうと現場の状況が悪化するばかりか近隣住人の信頼も失ってしまい最悪の場合退去などが発生してしまいます。
特に重要視したいのは今何を行うべきか的確なアドバイスができるかどうかです、電話などで状況説明するだけで瞬時に何をどうすべきかを明瞭に答えれる業者でなければいけません、これこそが良い特殊清掃業者かどうかの判断材料と言えるでしょう、この時点で見ないとわからない、とりあえず見に行きますという業者は経験値が低いと判断でき当然作業内容もその程度と判断していいと考えます。
そのような観点で特殊清掃業者を見ますと実は真の専門業者はそう多くないのです、特殊清掃から原状回復完了までには様々な課題をクリアしなければいけません、もしその端緒である特殊清掃業者選定を間違えば原状回復の失敗を意味します。
東京近辺であれば私たちが素早く対応いたしますのでご相談ください。