その相見積必要ですか?|孤独死の特殊清掃ある現場記録
2023/05/05
特殊清掃とは人の死があった部屋を掃除したり消臭したりする作業であることはなんとなくご存じだと思いますが、ではそのような場面に遭遇した人はきわめて少ないと思います。
ですからその立場になった時慌てふためきどうしていいかわからず半ばパニックになるのは無理もありません、初めて遭遇する出来事なんですから何も知らなくて当然なんですが昨今は情報が手軽に入ります、入るがゆえに間違った情報や適当な情報も出回ってるのは否めず、特殊清掃に関連したものでもかなり間違った情報が出回っています、この記事はその間違った情報のせいで的確な特殊清掃や原状回復ができなかった例をご紹介します。
☆本記事は株式会社まごのて佐々木久史が実際の現場体験に基づき執筆しました。
経験に基づいてない記事は信用に値しない
昨今は何らかの情報を得たいと考えたら真っ先に当然のごとくインターネットで情報を集め、その集めた情報を元に行動を組み立てるのが普通です、これは清掃や部屋の片付けもそうですし旅行や料理を作るなども同じような流れで進みます。
特殊清掃でも基本的には同じような流れになるのですが、特殊清掃に限って言えばその方法が間違いである可能性があります、と言いますのも経験や体験に基づいた記事が極めて少ないからです。
世の中で一番信頼できるのは体験した人の話です、旅行であれば実際にその場所に行った人のブログやSNS発信が一番信憑性が高いです、料理も同じく実際に食べたり作ったりした人の話が最も信頼できるのです、成功談や失敗談含めすべてが信頼できる情報です。
ですが特殊清掃はまずその場面に直面し経験した人が極めて少ないこと、経験したとしてもそれを情報として発信することはほとんどありません。
その結果経験したことのないライターが想像で適当なことを書いて情報発信しているというのが現実です、その大半は送客目的のオウンドメディアですが、よくもこれだけのウソというか適当な記事を垂れ流すものだと思うものばかりです。
ですので私のところはできるだけリアルな経験に基づいた記事しか出さないようにしているのです、真似されたり盗用されるのは嫌ですので技術情報はボカしてますができるだけ生の情報をお届けするようにしています。
特殊清掃が他の分野と違う点
特殊清掃業者選びをするシーンではまず共通してるのがこの2点です。
- 急いでいる。
- まったく事前知識がない。
特殊清掃業者を探すときというのはまさに急迫した事情があるときです、そんなときに出回っているどうでもいい情報通りに動いてしまうととんでもなく時間がかかりますし何よりも問題なのは目の前の困りごとが一向に改善されないという事態になります、簡単なたとえで表現しますと目の前に急病人がいるのに救急車を呼ばずに治療費や手術代がどれだけかかるかあちこちの病院に電話してるようなものです。
まず目の前の状況を解消するだけなら相見積だなんだと時間をとるべきではなく、その急迫した事態をすぐに解消してくれる業者なのかどうかを考えるべきで、後に必要な作業や工程は今この時点で考え動く必要はまったくありません。
☆孤独死発生!正しい原状回復手順4ステップ
不動産会社社長が経験した住人の孤独死
東京都内のアパートで孤独死が起こり臭いで近隣住民が困ってると一報が入ったのは午後14時。
孤独死発生の連絡をもらった前日には事件性なし、ということで早々に入室許可が出ていて、遺族を探してる最中ということでした、ですが隣の住人が臭いに耐えられないと大家に訴え、管理会社に連絡したというものでした。管理会社の担当者は大慌てで、特殊清掃業者を探し始めたのですが、以前私たちの営業担当者が来たことを思い出し連絡をくれたのです。
とりあえず特殊清掃一次処理を行い、漏れてる臭いを止めること、そして今後遺族が遺品整理などができるように処理しましょうと言うことで準備を整え出発しました。
ここまでで電話を切って15分です。
およそ1時間ちょっとで現場アパートに到着、すでに管理会社と大家さんは到着していて、少し離れたところで同じアパートの住人が遠巻きに見てるという状況でした。
早速鍵を預かり、入室前チェック。
玄関付近や窓など、外からチェックできる部分をくまなくチェックし若干外へも臭い漏れがあることを確認。
部屋の中に入ると、ハエが舞い、床面にはウジが大量に這い回っていました。
遺体痕は奥の居室のベッドの上、ただし、腐敗体液は敷いてある薄めのマットレスを突き抜けフローリングを汚染していた。
部屋の様子の写真を撮り、外で待つ管理会社の担当者と大家さんに、状況説明と必要な作業、そして特殊清掃一次処理の料金を伝えました。
行った作業はこちら。
1.汚染された布団、マットレス、ベッド本体の撤去。
2.ウジとハエの殺虫駆除。
3.遺体痕周辺の衣類などの撤去。
4.床面の清掃と簡易防臭。
5.通気口や換気口からの臭い漏れ防止処置。
6.空間除菌。
7.オゾン除菌消臭。
これら一式で75,000円+税 作業所要時間は約2時間でした。
動画:ある特殊清掃一次処理現場の記録
もしこの担当者が巷の情報通りに相見積を取ったり、何件も電話していたらどうでしょうか?
おそらくこの何倍もの時間がかかったことだと思いますし、それとて的確な処理で進行したのかすらわかりません。
少なくとも目の前の悪い事態を止めるということに注力する、という考えは残念ながら巷の情報には出ていません、偶然私たちに相談をいただいたからこそ実現できたことだと思います。
結果的にいち早く上記の作業を行ったことでその後の作業がスムーズに行えました、もし初動が遅れたらそうはいかなかったかもしれません。
☆特殊清掃で起こる様々なトラブル

孤独死を経験した不動産会社社長の回顧
私は東京都内の東側にある主要駅前で小さな不動産会社を父の代からやっています。主な仕事内容は賃貸の仲介とその管理です、大きくやってるわけではなく地元の大家さんが持ってるアパートを仲介し管理と言ってもいわゆる建物管理ではなくあっせんした入居者の家賃管理やちょっとした苦情を受ける程度のものです。
今から3年前の夏前にあるアパートの入居者から廊下にハエがすごく出てるのとなんか食べ物が腐ったような臭いがすると連絡がありました。
ゴミを出さなかったかそれともどっかの部屋のトイレが詰まって溢れてるのかなと思った程度でした。
目の前の仕事を片付けおっとり刀でそのアパートに行ってみると確かに廊下にハエが舞っています、そして何とも言えない異臭もただよっていました。
とりあえず1件ずつノックして回り様子を聞いてみる中で不在が3件ありその中の1件の前にハエが多く臭いも強いように感じましたがこの時ですらこの部屋で人が死んでると思うことすらありませんでした。
預かってる合鍵で開けてみようと一度事務所に戻り事務員さんにことの成り行きを話すと「それ死んでません?」
背中にツーーーっと冷たいものが走りました。
その後どのように処理をしたか全く思い出せません、かなりパニックになり警察に電話したのだと思います。
結果的に亡くなっていたのですが、ここからが大変でした。
亡くなった入居者は父の代からの人で30年近く住んでるようですが入居者台帳にある連帯保証人や家族はすぐに連絡が取れませんでした。
何をどうしていいかわからずにいると一番最初に連絡をくれた入居者から臭いだけでもなんとかならないかと電話がきました、とりあえずハエの殺虫剤とファブリーズを持って現地に行き廊下に撒いてみましたが大した効果はありませんでした。
取引のあるハウスクリーニング業者に聞いてみるとこれは特殊清掃を呼ばないとダメだということでインターネットで『特殊清掃業者』と検索し東京都内の業者いくつかに電話をしたのです。
その中のひとつが株式会社まごのてでした。
どこの特殊清掃業者にもことのあらましを話しいくらかかるのかを聞いてたので同じような内容を話しました、他の業者と同じようにとりあえず見に行きますと言われるのだろうと思ってると「社長!見積なんぞ悠長なこと言ってる場合じゃないようですね、とりあえず目の前の臭いとハエだけでもなんとかしましょう」と言われたのです。
「あの・・・見積もりは・・・?」「初期の消臭などの応急処置ですから3~10万の間です、おそらくその状況なら7~8万ですよ」「見積だなんだと時間取ってるぐらいならサッサとやっちゃいましょう今から行きます!」となったのです。
一応大家さんに話すと「あなたに任すから早くなんとかして」というのでまごのてさんに初期の消臭と掃除をやってもらうことにしたのです。
そう遠くないところにいるので2時間はかからないと思いますと言われましたが半ば半信半疑で待ってると1時間を少し過ぎた頃に「もうすぐ着きます」と作業の方から電話が入ったのです。
そこから先は実際に見ていませんが2時間程度で掃除と消臭が終わり廊下に出ていた臭いが消えていたのは驚きました。
その後作業者の方からスマホ画面を見ながら説明を受けこの後の作業もご依頼でしたら連絡くださいとその日は終わったのです。
この地で30年以上不動産屋をやっており小さいと言えども数百室扱ってますがまったく初めてのことでした。
初めてのことで何をどうすべきか、そもそも私の仕事か!?とも思ったのですがアパートの大家さんも他の入居者からも早くやってくれて助かったと喜んでもらえたので本当に良かったと思っています。
何件かの特殊清掃業者に電話をする中で他の入居者のことや遺族そして私たちのことを考えて提案してくれたのはまごのてさんだけでしたし、もし他の業者だったら処置が遅くなり大変なことになっていたのではと思います。
孤独死の特殊清掃にまつわるNG行動
巷で出回る相見積を取るという行為は上記のケースでは間違いです!複数の業者を呼んで値段や作業工程を聞くことは良いことだと思いますがこのような事案に関しては間違いであると言わざるを得ません。
まずそもそも何の値段を知りたいのですか?
弊社に特殊清掃関連でお問合せいただく個人も法人も90%の方が知りたいのは『家財撤去』の値段です。
家財撤去の値段を知りたいがために遺体痕があるまま時間を掛け時には現地に何社も呼びつけるのです。
その結果日に日に部屋の状況が悪くなり場合によっては何人もの人が出入りするので遺体痕を踏みつけ更に拡散され状況悪化に拍車がかかるのです。
遺体痕がありハエがわんわん飛び回り床にはウジが這いにおい濃度も高い、そんな状況に対して問題意識なく入室するほうも意識が低くそれをさせる側も大いに問題ありと考えます。
そんなことに時間を掛けるのではなくまずは上記のように初期の消臭(特殊清掃一次処理)を行ってからでも遅くはないのです。
たまにその初期の行為である特殊清掃一次処理に対して見積もりに来いという場合もありますが平均値6~8万円、その2万の差の為に時間をかけ他人を動かす思考はこれから先の原状回復が失敗することを示唆しています。
☆孤独死があった部屋の原状回復に向けての正しい工程を各ステップごとにお知らせ
どうか故人のためにも先にこの推奨する処理を行って次工程に進んでください、弊社ではこの特殊清掃一次処理だけでも喜んでお引受けします。
ちなみにこのように特殊清掃一次処理という考えを持ち推奨している特殊清掃業者は極めて少なく知る限りでは東京近辺でも数社しかありません。
すなわち技術や知識のある特殊清掃業者はたくさんあるように見えて実は数社しかないということです。

特殊清掃一次処理後の作業
このアパートでは、特殊清掃一次処理後に遺族が室内チェックを行うということが決まってましたので、遺族と大家さんに対し、今後どのような作業が必要かの提案をいたしました。この部屋の場合、必要な処理は次の通りでした。
1.遺品整理後の家財撤去。
2.本格的な防臭処理。
2-1.すべての壁紙を除去し、下地を防臭処理。
2-2.ウジやハエが汚染させた部分の除菌とハウスクリーニング。
2-3.床面、床下の防臭処理。
2-4.オゾン除菌消臭。
とりわけ、家財撤去後の防臭処理は物件オーナーにとっては大切な工程です、この部分を省いてリフォームなどを行ってしまう物件オーナーがいますが、かなりの高確率で失敗します。
この提案を受け、後日、遺品整理と家財処分のご依頼をいただきました。
その後、我々の提案通り防臭処理(特殊清掃二次工程)を行い完了としました。
遺品整理、遺品処分:270,000円+税
防臭処理:205,000円+税
費用は遺品整理部分は遺族、特殊清掃一次処理と防臭処理は一部オーナーのお支払いでした。
遺品整理や特殊清掃完了までトラブルなしで行えた理由
所有物件や管理する物件で孤独死や自殺が起こったときのポイントはとにかく素早く行動することが大切です。今回の孤独死の場合も、隣人から異臭クレームは確かにありましたが、大家さんも管理会社もすぐに行動を起こし、その結果、東京近辺で一番早く臭いをとめることができる特殊清掃業者である私たちに相談し、即日消臭作業ができたのです。
そして、その後に続く遺品整理作業でもスムーズに作業が行えたのは近隣住民の協力があってのことです。
もし、隣人からの申し出に対する対応に遅れがあったら、今後の工程に支障をきたしてたかもしれません、もしかしたら隣人は退去し損害賠償まで求めたかもしれません、もっと最悪な場合は他の住人も退去をしたかもしれません。
ですが、誠意をもって早急な対応を行えば、逆に協力すら得られることもあるのです。
特殊清掃は時間が勝負!とにかく1分でも早い行動を
そもそも孤独死の発覚は『臭い』が原因で、全体の7割強です。ということは、臭いの処理に関しては一刻の猶予もない、ということです。
それなのに、多くの方が急がなければいけないという考えに至らず、まるでチグハグな行動をしています。
多くの人がやってしまう、孤独死のあった部屋の間違った処理
1.先に家財撤去(遺品整理)のことを考える。
2.先にリフォームのことを考える。
3.特殊清掃を自分でやろうとする。
4.特殊清掃業者探しに時間を掛けすぎる。
これらはすべて間違いです、順を追ってご説明します。
(1)(2)ですが、これは順序がまったく違います、いずれも一番の問題点は除菌と消臭を行っていないということです。
特殊清掃とは突き詰めれば『除菌と消臭』がすべてと言っても過言じゃありません。
これを行わずして、次工程を行うなどもっての他です、これにはキチンとした理由があり、そもそも孤独死現場(自殺も同様)は細菌の宝庫です。
人は亡くなった時点で、すべての細胞活動が停止し、その瞬間から腐敗が始まります。
夏場ならたった1~3日、冬場でも数日で腐敗した体から体液が流れ出ます、それが広がり部屋を汚染するのです。
そして、その腐臭に誘われハエがやってきてご遺体や、流れた体液に産卵します、それがウジ虫となるのです。
腐敗体液をまとったハエやウジ虫は部屋中を飛び、または這い回り部屋の汚染を拡散させます。
言葉だけでもおぞましいと思いませんか?もし故人の死因が感染症の疑いありならいかがでしょうか?
つまり孤独死現場は知識なしに入室すべきではないのです。
そのような現場にご遺族や関係者が入室するのは絶対にやめるべきです、初期の除菌が済むまでは入室は控えるべきなのです。
これは、遺族だけではありません、我々のような特殊清掃業者や遺品整理業者、不用品回収業者でも同じ配慮をすべきで、初期の除菌が済むまではこれら業者を作業以外で呼ぶのも控えたほうがいいのは当然です。
そもそもまともな特殊清掃業者は『まずは見積り』と言われ、尻尾を振って参上しません、これらのリスクがあることを伝え、キチンとした提案ができる業者が本物と言えましょう。
孤独死現場へ入室するということは、それなりの装備が必要です。
かなりの手間がかかるのですから、それを無料などと謳って関心を惹くことに注力するのはただの素人とご判断ください。
問題解決が早い特殊清掃業者をお探しなら
それでも起こるときは起きてしまいますが、その時にいかに早く確実に処理できるかが重要になってきます、これは第一には故人のため、そしてご遺族や関係者のためです。
株式会社まごのては東京都内はもちろん神奈川、千葉、茨城、埼玉、(山梨、群馬、栃木の一部地域)で特殊清掃を行う会社です。
孤独死などが起こりにおいがあり周囲に漏れていたりご遺族すら室内に入れないという状況でしたらまずは弊社の初期消臭(特殊清掃一次処理)をご利用ください。
あくまでも応急処置にはなりますが、周囲への対策とご遺族がストレスなく入室できる環境にいたします、孤独死のにおいでお困りならまずは株式会社まごのてにご相談ください。