マンション特殊清掃依頼。他社施工後の消臭消毒
2022/08/08
依頼者:管理会社
状況:4ヶ月前にその部屋に住んでいた50代男性が孤独死し死後40日で発見された。
遺族の手配で家財撤去と特殊清掃を行いその後マンションオーナーの手配でリフォームが行われた、その後の客付けのため現地を確認した際に、どうも変な臭いが残ってる気がするということで弊社に調査依頼。
作業者コメント
今日は東京都大田区のマンションの臭気チェックに伺いました。
部屋は2DKですでにリフォームが終わっていました、最初は玄関と各部屋の中央に芳香剤がおいてあったので、臭いが分かりません。
一度芳香剤を取り除きしばらく換気し、再度締め切って室温を上げるためエアコンを暖房運転にし更に1時間ほど待ちました。
その間に管理会社の担当者より、孤独死が発生した場所(部屋のどこなのか)や状況、その後の施工状況など得れるだけの情報を集めました。
部屋の戻ると確かにさっきとは違う臭いが沸き上がってきてます。
遺体痕があった場所はダイニングと奥の部屋の境目ということですが、床のフローリングはすでに新しいものに変わっています、床面や壁面に鼻を近づけて探すとある1点から臭気があがってくるのを察知しました。
ちょうど部屋の隅、おそらく床の下地の処理が不十分であることと石膏ボードが体液を吸上げてる可能性があることを管理会社の担当者に示唆しました。
これを解消するには、もう一度床と壁面の内装解体からやりなおし遺体痕の検索を行う必要があること、体液が残留してる可能性があるので洗浄と完全防臭を行う必要があることを示し、見積書を書いてきました。
本日の請求は臭気チェックとして¥30、000です。
正しい特殊清掃の流れはこの4つ
他社施工の手直し特殊清掃作業レポート
東京都大田区大森北 2DKマンション施工内容:内装を解体しながら遺体痕の検索、ただしリフォームが完了してるので最小限で留めれるか検討しながら慎重に行う。
作業者コメント
遺体痕があったとされる床面から少しずつフローリングを剥がしていきました。
遺体痕残りはすぐに見つけることができました、根太は完全に体液を吸っており全く処理がされていませんでした、下に敷き詰めてある断熱材も交換された感じではありませんでした。
結局フローリングは遺体痕があったとされる部分を中心におよそ3畳分解体しました。
次に壁紙を下から剥がしていったのですが、そこで問題発生です。
前の壁紙がそのままで上から貼っただけです!
これは困りました。
孤独死があった部屋は基本的に壁紙をすべて剥がさなければいけません、理由は臭い粒子が付着していることと、腐乱遺体があった際にウジやハエが腐敗体液をまとって部屋中を汚染させてるからです。
完全にリフォームが終わってる状態から壁紙剥がしから行うとなると費用が莫大になりますが、今後のことを考えると本当であればためらわず行うことですが、マンションオーナーの判断待ちとなりました。
やはり遺体痕を吸上げてる可能性のある部分だけでなんとかならないかと言ってきましたが、その方法では不十分であると所見を述べました、そもそも前の壁紙の上から新しいのを貼るなんてリフォーム会社の手抜きです。
今後、入居者に快適に過ごしてもらうためにも全部を剥がし、再度下地から除菌するのが将来的に一番いい方法であることをお伝えし了解を得て、全室の壁紙を剥がすことになりました。

慌てて他の特殊清掃業者に頼み失敗した
先日はお世話になりました。最初からまごのて様にお願いすれば良かったと後悔しています。
父が亡くなっていると連絡を受けたときには、すでに死後1週間ほどが経過していました。夏は過ぎていましたが、まだ暑い日が続いていた時期でしたので、遺体の損傷が早かったと警察の方もおっしゃっていました。
近隣の方がニオイやハエなどでおかしいと気付き、警察に通報されたとのことでした。
あまりにひどいニオイでしたので、早く清掃をしてもらわないといけないと感じ、地元の清掃業者にすぐさま連絡したのでした。
ネットで確認すると不用品回収やゴミ屋敷などの清掃を手がけているということでしたので、問題なくやってくれると思っていたのです。
結局、その業者ではニオイがしっかりと取ることができませんでした。作業後にもちろんクレームを入れましたが相手にされずじまい。
このような特殊な作業でのスキルがない業者だったんだと、この時点でようやく気付くことができたのです。
そんなやり取りがあって、まごのて様をネットで見つけ連絡させていただいたのです。すぐに駆けつけていただいて、満足のいく清掃を行っていただけました。
悔しい思いはしたのですが、こういう場面でも焦ってはいけないということを学ばせていただきました。
孤独死現場の部屋は内装解体が必要か?
特殊清掃とは何かと問われれば、除菌と消臭がすべてであるとお答えします。除菌は浮遊してるもの、付着してるのもを完全に除去しなければいけません、菌が臭いを発生させているから当然です。
菌=臭いの元、と考えればわかりやすいです。
今回の大森のマンションの場合は、そのあたりの認識ができていない自称特殊清掃業者が行ったと推測されます。
昨今では不用品回収業者や便利屋までもが特殊清掃と作業メニューに掲げています、おかしな認定資格のおかげでどうでもいいDVDを見ただけで特殊清掃ができると思ってる輩が多すぎます。
特殊清掃という限り、文字通り『特殊』な作業です。
そう簡単に誰でもできるものではありません、この場合でも最初に着手した特殊清掃業者がきちんとした処理を行っていれば再度内装解体と特殊清掃を行う必要もありませんでしたし、新規の客付けもとっくにできてたはずです。
マンションオーナーにとっては莫大な損失となってしまいました、少なくとも特殊清掃業者を名乗るのであればそのあたりまで気配りする必要があるのです。
アパート・マンションオーナー、不動産管理会社のための特殊清掃ガイド
原状回復の第一歩は特殊清掃である
部屋で異変が起きたらそこから原状回復に向かって進んでいくのですがその端緒は特殊清掃です。
孤独死など人の死があった場合は必ずこの特殊清掃が入り口となります、ですからこの初めの部分で間違いがあればその先まで間違ったままで原状回復そのものが失敗に終わり結果的に費用や時間も大きく失ってしまいます。
弊社では年間何百件と特殊清掃からリフォームまで行っていますが入り口で間違ってしまってる事例が後を絶ちません。
孤独死があったにもかかわらずリフォームすれば臭いが消えると思ってる。
特殊清掃を行わないで残置物撤去や遺品整理を行った。
特にこの2点は多く物件管理のプロである管理会社ですらこのような認識で事を進めてしまい上記のように内装解体からやり直しという事例はよくあります。
特殊清掃の手直し事案は2つの要素があり一つは特殊清掃業者の知識と技術の不足によるもの、もうひとつは物件管理者やご遺族の認識不足によるものです。
特殊清掃業者の不備がよく指摘されることは多く実際にその通りなのですが後者の原状回復過程の認識不足によるところも実は非常に多いです。
つまり素人考えで進める中で素人同然の特殊清掃業者が絡むと的確なアドバイスができないから必ず失敗するという図式です。
弊社はこのような部屋の原状回復に特化した工事部門もありますので特殊清掃からリフォームまで一貫施工が可能ですし万が一リフォーム工程で特殊清掃の不具合があってもすぐの対処ができるのです。
孤独死などの原状回復に特化したリフォーム