孤独死部屋の原状回復過程で犯しやすい間違い2つ!
2023/07/11
人の死があった部屋の原状回復は正しい手順で行わなければ失敗する確率が高いのですが、正しい特殊清掃や原状回復の手順を知らないのですから致し方ない部分はあります。現在はあらゆる情報を得ることができる反面相当数の誤った情報や再現性のないガセ情報があるのも事実で特殊清掃の分野でも例外ではありません。
☆孤独死発生から特殊清掃~原状回復の正しい流れ
孤独死が起きた部屋を確実に原状回復したいなら
孤独死や自殺が起きた部屋を元通りにすること全部を指し『原状回復』と呼びます、リフォーム部分を原状回復と呼ぶこともありますが、特殊清掃も家財撤去も含めて原状回復です。家を建てる時にはまず基礎工事から始めることは誰でも知ってます、屋根から作り始める大工はいません、基礎から屋根まで手順通りに建てて家が完成するように孤独死の原状回復も正しい手順が存在します。孤独死部屋の原状回復手順の知識を得たいなら下記のことを実践してみてください。
1.部屋の原状回復の着地点(完成形)
2.慣例や習慣をいったん捨てる。
3.発信されてる情報を鵜呑みにしない。
4.情報発信者の信頼性を確認。
特に(3)(4)は大事で誰が発信してるかは大切で、体験や経験に基づいてるか、信頼できる経歴の人が出してる情報かがひじょうに大切です。ガセ情報を信用したばかりに原状回復が失敗したという例が後を絶ちません。また(2)は今まではこうしていた、普通退去の時の流れはこうだという慣例や習慣はいったん捨ててください、普通退去の時と現状回復の流れとまったく違います。
☆本記事は株式会社まごのて佐々木久史が実際の現場体験に基づき執筆しました

特殊清掃前に家財撤去は絶対にしてはいけない
まごのてへの特殊清掃相談の中で、残置物撤去はもう済んでるというパターンが半分程度あります、おそらく習慣的に残置物を先に片付けてしまうというのをルーティンで行ってると考えますが、孤独死現場では絶対にNGな行為です。
孤独死の現場はご遺体から流れ出た体液や腐敗脂が部屋の中に流れています、特に腐敗脂は目に見えませんがけっこう流れており、腐敗脂がある状態で部屋に入ればまったくの素人の人でも靴底に何か付いたような違和感を感じるでしょう、ノリやボンドを踏んだみたいにベタついた感じです、そして生きたウジやハエ、または死骸となったハエやウジから羽化するときに出来るウジ殻などが部屋中に散乱しています。
この状態の中で特殊清掃業者ではない他職の者が入室し何らかの作業をしたらどうなるでしょうか?
容易に想像できると思いますが、ウジやハエを踏みつぶし、腐敗体液や脂を靴底に付けたまま室内を動き回り、下手すればそのまま共用部も動き回りその結果外の廊下やエントランス、エレベーターや階段まで汚してしまってます。
下の写真はトーンを落としてますが真ん中にご遺体のあった布団があり、その周囲にはウジ殻やハエの死骸が散乱しご遺体から流れた体液が部屋に広がっています。
正直知らなくても無理はない事案であることは確かですが昨今はこれだけ情報が簡単に得られるのですから少しは調べる努力をしていただきたいと思うのが本音です。
先に残置物撤去をしたために起きた臭いの拡散
東京都内のマンションの孤独死現場へ伺った時のことですが、部屋に向かうエレベーターがすでに臭いを発していました。部屋から出てる臭いが漏れてるものではなく確実にEV内に汚れが付着しています。
こんな時はすぐに発注元である管理会社へ連絡を入れ事実を伝えることから始まります、この報告を怠ると私たちが入るようになってからエレベーターや廊下が汚れたと言われかねないからです。
共用廊下にも油染みのようなものを認めたので間違いなく残置撤去のゴミ屋の仕業と断定しました、室内はもっとひどい状況で、無関係の部屋の床までベタベタで建具や壁やドアの取っ手までご遺体痕の汚れが付着している有様です、だいたいが家賃保証会社が手配する残置撤去業者か不用品回収業者の仕業ですが、往々にして彼らの仕事ぶりは荒く汚いです、そもそもこの手の現場に平気で入って作業するのですから、その程度の業者ということになりますがこの部屋に関してはかなり悪いと言わざるを得ませんでした。
しかも、この部屋は孤独死の一報が入った時点で私たちから特殊清掃一次処理を先にやったほうがいいと進言していたものだったのです。
にもかかわらず残置撤去を先にやり広範囲に汚れを拡散させてしまったため、特殊清掃費用そのものが予定より高額になってしまいました、当初予定より15万円も高くなったことに苦言を呈してきましたが理由と状況を示したところ理解をしてもらいましたが、孤独死があった部屋は正しい手順で事後処理を進めないと思いがけず大きな出費となってしまうのです。
実は最近はこのようなことが少し減ってきたように思います、少なくとも私たちとお付き合いのある不動産管理会社は正しい手順を理解してると同時に先に残置撤去をしたためにその後の作業に影響があったり、共用部分を汚したことによる他入居者からのクレームなど火傷を経験してるからかもしれませんが、それでもまだまだ先に残置撤去は済んだというものは多いです。
騙し打ちされた掃除屋さんとリフォーム業者さん
上記のように正しい方法を知らないまま残置物を先に出してしまい、その後に特殊清掃をするというのであればまだわかります。たとえ残置のゴミ屋が汚れを広げたとしても特殊清掃でリカバリーができるのですから一時的に不手際があったとしても正常化できます。
ですが、残置物撤去を先にやった上に次工程を空室清掃会社やリフォーム会社を入れるということもあるようです、要するに完全に特殊清掃を飛ばしてしまう流れです。これもその仕事を請負った清掃会社やリフォーム屋さんから相談があることが多いのですが、まず料金面で通らないのでそれらの物件がどのようになったか知る由もありませんが、どうして清掃会社やリフォーム会社はこの騙し打ちのような注文に対して物言いをつけないのか不思議でなりません。
清掃やリフォーム関係は個人事業主も多く継続的に仕事がもらえる先には滅法弱いという性質があります、もしそれに乗じて孤独死などがあった部屋であることを知っていながら発注していたら大問題ではと考えます。
正直特殊清掃を省いてしまうリスクはかなり大きく僅かのお金をケチったところで後で数倍のしっぺ返しを食らったオーナーさんをたくさん見てきた身としては是非キチンと正しい方法で事を進めてほしいと願うばかりです。
清掃やリフォーム業者さん不用品回収業者さんへ
もし何らかの作業を依頼された部屋が人の死に関わることで特殊清掃が行われていないと感じることがあった場合、どうかそのまま作業を継続することはおやめください。
まごのてへ一報いただくか元請けや管理会社に対して、このまま事を進めると後々大きな不具合が出る可能性があることを進言してください。
その上で納得と理解をいただきぜひ特殊清掃をとなった場合は責任を持って提案書を作成し作業そのものも確実に行います、もちろん商流はアンダーで構いません、本当にこのままでは東京中の賃貸住宅が隠れ事故物件だらけになってしまうと危惧しています、そうなれば被害と不利益を被るのは一般の人です。どうか良識ある判断をしていただきたいと思います。
☆特殊清掃を省くリスクは意外に大きい
不用品回収屋を孤独死現場に入れるべきではない
孤独死が起きた部屋を原状回復するという工程の中で適当に不用品回収業者を入れてしまうということが良くあります、お客様側でも特殊清掃業者や遺品整理業者との違いがわからず安易に依頼してしまうことが多いようですが、孤独死があった部屋に不用品回収業者を入れるべきではありません。
特殊清掃業者から見た不用品回収業者の立ち位置
今からお知らせする考え方はいわば特殊清掃業者の目線であって業界内のランク付けとも言える部分ですので参考程度で読んでいただきたいのですが、いわゆる特殊清掃を取り巻く業者というのは下記のようになっています。
1.特殊清掃や遺品整理の専門業者。
2.不用品回収業者。
3.ハウスクリーニングなどの一般清掃。
私たち特殊清掃の専門業者から見た場合、不用品回収業者は最下層に位置します、何故かと言いますと不用品回収屋はしょせんゴミを回収するだけしかできなくて現場に対する知識も技術も持ち合わせていません。おしなべて彼らの仕事ぶりは荒く汚いです、当然です、ゴミ回収しかできないのですから仕方ありません。
ですがパフォーマンス能力には異常に長けていてホームページではあたかもお片付けや清掃のプロであると掲げています、出来もしない遺品整理や特殊清掃にまで作業メニューに掲げているから一般の人が錯覚してしまうのですが殊清掃業者や本物の遺品整理業者のような体裁のホームページを持つ不用品回収業者がたくさんいます。
特殊清掃や遺品整理専門に比べて数も多いので余計に紛らわしくなっていますが、孤独死の現場でトラブルを起こすのはだいたい特殊清掃や遺品整理業者を装った不用品回収業者です。故人を敬う気持ちなど欠片もありませんし近隣住人に配慮することも一切ありませんので、どうか不用品回収業者を孤独死現場に入れるのだけはお止めください。
関連した記事がありますので参考にしてください。☆不用品回収業者に遺品整理やゴミ屋敷片付けを任すのは絶対NG!
以下は茨城県の特殊清掃業者のtweetですが、家財撤去を先にやり近隣から大クレームという内容ですが、文中に遺品整理業者とありますが、おそらく不用品回収業者です。本物の遺品整理業者であればこのような手荒な作業は絶対にしません。
不用品回収業者が幅を利かす理由
不用品回収業者がトラブルを起こしてるのは何も孤独死の現場だけではありません、一般のハウスクリーニング業者からも悪評を聞きますし、ゴミ屋敷関係でも最近かなり不用品回収業者による荒らし行為が目につきます。
上記で片付けや清掃業で最下層に位置するのが不用品回収業者と書きましたが、良い言い方をすればフレキシブルです。不用品回収という一般の人からしたらけっこう身近ですからアプローチがしやすいのです。そして最下層に位置するからこそなんでもかんでもメニューに詰込む習性があるのです。
まごのて含め特殊清掃の専門会社は単純な不用品回収は積極的に行わず、依頼されればやるというレベルですが仕事にたいしてプライドがない不用品回収業者は考えつく限りの周辺業務をホームページに書き獲物を物色しているのです、特殊清掃や遺品整理業者に比べて断然数が多いから結果的に幅を利かすという構図です。
ホームページだけだと見た目で判断するのは難しいと思いますが、本業(メイン業務)は何なのかを見極めれば失敗は防げると思います。見極め方法はいくつかありますが特殊清掃や遺品整理業者にはないある文言があります『業界最安値』この文言がある業者はたとえ依頼目的が不用品回収だとしても近寄ってはいけません。
原状回復は正しい手順こそが成功のカギ
近頃アパートなど築古物件を安く買って大家さん自らリフォームをして利回りをよくするという手法が流行ってるようで、Twitter界隈でもけっこう活発な意見交換がされています。
ですからその流れで大家さん自らが特殊清掃の真似事をしたりAmazonで変なオゾン発生器を買ったりし果敢にチャレンジしていますが、一般のリフォームならいざ知らず、このようないわゆる事故物件の原状回復は成功したという事例はほぼ聞いたことがありません。
瞬間的ににおいが取れ上手くいったように見えても、何かのタイミングで臭い戻りを起こしたりしています、そして結果的に高額なものになってしまうという笑えないことが現実的に起きています。
特殊清掃だけではありません、どんな世界でもプロと言われる人がいて世の中は成り立ってます、一定の経験を積み努力した人だけが知っている知識や技術があり、それは到底見よう見真似でできるものではありません、特殊清掃も同じでどうせハウスクリーニングの延長だろと軽く考えてる人ほど後で大きな痛手を被っています。
孤独死発生から原状回復における特殊清掃の部分、大きくは汚れの除去と消臭脱臭ですが費用的には数十万円程度のものです、そこを削ったからと言ってもそう大きなものではありません、それよりその程度のお金をケチったためにその何倍も費用がかかってしまい、信用を落とす方が痛手だと思いませんか?
大切な物件の価値を下げずに完璧な原状回復をしたいなら、まずは完璧な作業ができる特殊清掃業者に任すこと、これに尽きると考えます。
特殊清掃を行うことは故人への供養
私たちの仕事は物理的に部屋を片付けたり清掃や消臭をするだけでなく、葬祭業のような一面があると考えています。
特殊清掃で故人の痕跡を消してあげることそのものがご供養と考えています、このホームページの冒頭でも申し上げてる通り遺体痕は故人そのものとの思想に基づいています、たいした後始末を行わずに上から隠すような処理をしたとしてもそれは眠ってる人の頭を毎日踏みつけ蹴とばしてるのと同じです。
私たちと懇意にしている実話系ルポライターである村田らむ氏は「事故物件は繰り返すことが多いが特殊清掃をし供養をきちんとした部屋は入居者もすぐに決まるし定着する傾向にある」と語っています。
特殊清掃業者の公式サイトで迷信めいたことを記載するのはどうかという考えもありますが、まごのてで完璧に特殊清掃から原状回復を行い出張供養までしていただいた部屋はすぐに新入居が決まっています、この現象については何らエビデンスを示すことはできませんが事実としてあることをお知らせしておきます。
☆特殊清掃は故人への供養である倫理的な考え
孤独死部屋の原状回復を完全なものにしたいなら
そもそも特殊清掃業者の役目とは、最終的に部屋を原状回復し元通りにすることです、たとえリフォーム工事を行わないにしてもその端緒につけるよう行うことです。
安値を掲げたり、技術がない自称の特殊清掃業者はその意識がありません。
だから目の前だけ取ってつけたような適当な作業を行うのです(実際他社の手直し施工依頼は増加傾向)
まごのてと同じ認識がある業者は安く特殊清掃を行えるといった無責任なアナウンスはしません(できません)文字通り特殊な作業ですから万全を期す必要があり工数が増えれば増えるほど料金に反映されるのは当然なのです。
ですが青天井で施工費を請求するという意味ではなくきちんと裏付けがある料金提示を行いそして施工したことによる効果をご説明いたします。
このような観点から特殊清掃業者を探すとたくさんあるように見えて東京近辺でもそう選択肢が多くないということがお分かりいただけると思います。
もしお客様が(大家さん、管理会社、ご遺族)完全な原状回復をしたい、部屋が部屋として機能するように完全なものにしたいとお考えでしたらまずは私たちにご相談ください。
孤独死が起きたら・・・完全消臭のまごのて
孤独死などが起きどうしていいかわからない時はひとまず落ち着いてまごのてにご相談ください。
経験の少ない一般の人があれこれ考え模索しても何ら進展しません、急病人が出た時にためらわず119番に電話する感覚で構いません。
現況を知りうる範囲でお伝えください、その上で今何をすべきか、今後はどう進めるべきかを順を追って的確にお知らせいたします。まごのては東京近辺では間違いなく問題解決が素早く特殊清掃業者です。